今年の夏も暑い日が続きました。水温が高いと真珠の巻きはよくなりますが、近年の高水温は貝にとっても負担が多く、どこの養殖場でも夏のへい死をどれだけ少なく抑えられるかというのが大きなポイントとなっています。
上村真珠では貝は今年も順調に成長しており、このままいけば例年通りの浜揚げの量が見込まれます。
ただ、自然相手ですので何が起きるかわからないので最後まで気を抜くことはできません。
真珠養殖は浜揚げ(収穫)が終わると一段落しますが次の養殖の作業のために準備を進めていきます。
養殖には多くの道具を使いますが毎年手入れをしながら大切に使っています。
今回は養殖の裏側を支える道具の補修をご紹介いたします。
真珠を養殖するには貝を入れるいくつもの道具があります。
仕立てと呼ばれる養殖する前のカゴも大切な道具の一つです。
カゴの横に隙間が空いていて水がカゴに入るのを調整できるようになっています。
核入れする時に貝を良い状態にするためにはこの部分がとても大切となり、カゴの手入れも重要な作業です。
養殖ネットは養殖中に何度もネットから貝を出して掃除をしてからまたネットに戻すという作業を繰り返すので傷むことも多く、また数も多いので補修するには多くの人手が必要となります。
作業に必要なものは自分たちで作るのが上村真珠の伝統です。
挿核作業の台も自分たちの使いやすいよう自作しています。
このような地道な作業に支えられてきれいな真珠が生まれてくるのです。