壱岐の養殖場では今年も夏を前に核入れ作業が真っ盛りです。
真珠の養殖では核入れ作業ばかり注目されがちですが実は核を入れる前の作業がとても大切です。
今回は「栓差し」作業をご紹介します。
「栓差し」とは核入れ作業しやすいように予め貝の口を開いて栓を差しておく作業です。
まずは核入れできる状態に仕立てた貝を台に開けて一つ一つ貝の口を開く器具を使って栓を差していきます。
核入れ前の貝
「抑制」といって意図的に貝を酸欠状態にして麻酔をかけた状態にしていきます。
栓を差されて核入れを待つアコヤ貝
一見単純そうに見えますがアコヤ貝は意外にもろく、上手に器具を使わないと貝が割れてしまったり、貝柱をキズつけたりしてしまいます。
またただ貝に栓を差しているだけではなく、実は貝のコンディションを瞬時に判断し、選別しているのです。
核入れするには卵抜きといって生殖層が空の状態にするのですが、中には十分抜け切れていない貝もあります。
また貝がまだ元気すぎて核入れ入れ出来るコンディションではないものもあります。
また病気にかかって身の裏側が黒く変色している貝もあります。
病気で貝の内側が黒く変色してしまった貝
このような貝を選別しながら栓を差していくという作業を一日一万個以上という数をこなしているのです。
このような作業に支えられて核入れ担当が安心して作業が出来るのです。